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●おすすめの本「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」村上 春樹

谷崎潤一郎賞受賞作品。


高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。

老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。

静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。


自分が自分である所以とは何かを考えさせられる、非常に深い物語。

「私」は心に他人には踏み込めない「壁」を抱えた人間。

その「壁」の中には「街」がありもう一人の「私」はその街に暮らしている。

つまり壁の中の街は主人公の自我を象徴している。


人間は「心」があるから悩み、憎み、苦しむけれど、「心」があるからこそ幸せや喜びを感じることができる。

でも一体「心」とはなんなのか?

自分の「心」はどこにあるのか?


そんな答えの出ない疑問を投げかけ続ける、哲学的な物語。


村上作品の中でもっとも骨太な作品だと思う。


こういう「とてつもない」独特の物語を書くことが出来るのは、やっぱり村上春樹しかいないのだ。

登場人物が困難な状況に陥っても、誰一人狼狽しない。

これだけの冒険物語を、心静かに読ませることが出来るのは彼しかいない。



何度読んでも圧倒され、引き込まれますね。

「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」との2つのストーリーが最初は何で交互に出てくるのだろうと思い、その内に何か関係ありそうだと思い、最後に繋がるのだけれども、それが本当にどんな繋がりなのかを読後も考えされられてしまう物凄い作品です。

どうしてこんなストーリーを考え付くのか想像を絶するものがあり、ハルキストのみならず、文学好きの人にはたまらない作品だと思います。

本質は真面目ながら、随所にユーモアがあって(机の上にたくさんクリップがある理由が分かったときは笑ってしまいました)、迫力満点で、読んでいて思考回路がフル回転する気分です。

また、絶対映画化出来ないだろうなと思いますし、それぐらい文学のレベルの高さを感じさせてくれます。

それから、太った娘が何でいろんなことを知っているんだろうと不思議な感じでした。

そうでないとストーリーが進まないからですかね。

星5つでも足りないぐらいです。


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